生薬の「当帰(トウキ)」をご存じですか?
当帰は漢方薬を構成する生薬のひとつです。
加味逍遥散料加川芎地黄や当帰飮子、補中益気湯や十全大補湯にも含まれていますね。
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
当薬局でもよく使う生薬のひとつです!
当帰とはどんなもの?
当帰はセリ科の多年草の植物で、6~8月に白い小さい花を咲かせます。
セリ科と言われてもあまりピンとこないですよね。
身近なセリ科の植物には、にんじんやセロリ、パセリ、コリアンダーなどがありますよ!
セリ科は香りが強いものが多いですね。当帰もその仲間です。
ちなみに薄荷(ミント)はシソ科みたいです(*'▽')
※多年草とは、種まきや苗の植え付けを行った後、花を咲かせたり実をつけたりするサイクルを何年も繰り返す草花のことです。一方、花を咲かせたり実をつけたりすると枯れてしまうものを一年草と言います。
生薬として出荷されるまで
1年目
・種まき(春)
2年目
・苗を移植
・防虫対策・除草・追肥
・収穫(冬)
・泥を落とし乾燥
3年目
・湯もみ
・天日乾燥
を経て出荷されます!
生薬で使われるのは当帰のどの部分?
生薬で使われるのは根っこの部分です。
中国の漢方(中药)で使われる当帰はカラトウキと呼ばれ、日本の当帰とは成分、香りなどがわずかに異なり、別品種です。
生薬の当帰として使われる国産当帰には北海道で栽培されている「北海当帰」と「大和当帰」の2種類があります。多く出回ってるのは「北海当帰」、品質は「大和当帰」の方が良いとされています。
生薬に使われるのはこの2種類だけですが、日本ではほかにも常陸、仙台、越後、伊吹などに在来種が存在するそう。
当帰の根っこは生薬に。当帰の葉は?
当帰の葉は…というと、なんと2012年から食用として認められたのだとか!
当帰の葉に含まれる豊富な栄養素
ビタミンCトマトの4.7倍
ビタミンEが玄米の7.8倍
β-カロテンはブロッコリーの5.7倍
その他にもいろんな栄養素が豊富に含まれていますが、なんとビタミンEはすべての野菜や果実・穀物・豆類などの中でもっとも多く含まれています!(100g可食部中)
アサイーボウルがスーパーフードで話題になりましたが、そのうち当帰もちやほやされる時が来るかも
?(笑)
現在は当帰が入ったドレッシングやジェラート、ハーブティ―、ハーブカレーも開発されています!
気になりますね(*'▽')
奈良県の宇陀地方では古くから薬草の産地として知られており、日本書紀にも推古天皇の時代の宮中行事として薬猟の記録が残っています。
奈良を訪れる際に大和当帰を体験してみてはいかがでしょうか?